特徴的なデザインと機能性で定番化しているパタゴニアのレトロXベスト。
多くの他メーカーからデザインをまねた類似商品もたくさん出ていますが、どうせ買うなら本家本元、オリジナルの商品を買おう！と思い手に入れました。
が、いろいろと気に入らないポイントが見つかり、あまり着なくなってしまいました。
意外と着心地が悪い
ふわふわモコモコとした見た目で、さぞかし着心地がいいかと思いましたが、実際に着てみると着心地が良くありません。
というのも、このレトロXベスト、生地が固いのです。
自立するくらいしっかりしている。
自立は言い過ぎた。
でも生地の厚さと硬さでペタっとつぶれるのを拒否しています。
あえて立たせようとしてみた。
やはり自立はしなかったが、生地の固さは伝わったと思います。
レトロXベストは防風性がウリの一つではあるのですが、そのための複層構造が生地の固さ(堅牢さ)につながっているのでしょう。
良く言えばしっかりした造り。
悪く言えば固くてゴワゴワ。
首元もしっかり保温するために襟が立っていますが、なにせ固いので肩がこります。学ランのカラーを思い出すわずらわしさ。
レトロXベストは見た目の個性は唯一無二なのですが、ふんわりモコモコの暖かさや着心地の良さを求めるのであればパタゴニアの別のフリースや他メーカーのフリースベストをおすすめします。
サイズ感に注意
レトロXベストは生地が固いので、サイズ選びには注意が必要です。
ベストという特性上、オーバーサイズで着るとアームホール(脇)がスースーして寒くなります。
防風性能のある服なのに脇から風が入ってくるようでは意味がありません。
私は店舗で試着をしたうえで、ジャストサイズだったSを購入しました。
私にとってSサイズは身幅はちょうどいいのですが、肩回りが若干窮屈です。
前述したとおり、レトロXベストはあまり伸縮性のない固い生地なので、ジャストサイズだとなんとなく動きづらくなります。
ひとつ上のMサイズだとレトロXベストが体にフィットせず服と体の間にスペースができて保温性が台無しになるので、サイズ選びが難しいです。
小さくて着られない、着心地が悪い、となるよりは少し大きめにゆったりと着るほうがいいかもしれません。
洗濯後は乾きにくい
これは試着ではわからなかったデメリットです。
購入後、数回来てから洗濯機で洗ったのですが、普通に脱水しただけだとなかなか乾きません。
そのままハンガーにかけて干していたら床に水滴が垂れるほど水を含んでいました。
何回か洗った後は生地が落ち着いた(ヘタった？)のか、下に垂れるほどの水は無くなりましたが、レトロXベストを洗濯するときは脱水を気持ち長めにかけたほうがいいかもしれません。
もしくは乾燥機をかけるか。
レトロXベストの洗濯表示を見ると、低温での乾燥機はOKになっています。
ゴアテックスなどの透湿ウェアほど洗濯に気を使わなくてもよさそうです。
使いどころが中途半端
フリースベスト全般に言えることですが、レトロXベストは一枚羽織るとちょうどよい春秋の補助的なウェアになります。
あとは室内にいるときの防寒ですかね。はんてんみたいな使い方が向いています。
腕部分が無いので冬にこれをアウターとして外に出るには寒すぎますから、レトロXベストの上にシェルジャケットやダウン、コートなどの上着を着ることになります。
つまりレトロXベストがウリにしている防風性はあまり意味が無い、というか防風性が活きる場面があまりありません。
せっかく着心地を犠牲にして？風を通さない仕様にしたのに・・・
ただでさえ着られる季節や天候が限られているのに、着心地が悪いとなると、出番は自ずと無くなっていきます。(レザージャケットでも同じような思いをしたことがある・・・)
見た目がいいので着心地を我慢しながら(無理矢理？)着ることもありますが、年々ファッションにおいて我慢より快適を重視するようになってきているので、これから出番は減ることでしょう。
それでもレトロXベストが欲しいなら
「フリースベスト」というくくりで見ればレトロXベストは高い買い物になります。
正直、値段や着心地、使い勝手や機能性を見れば他アウトドアメーカーの物を勧めますし、見た目が気に入ったなら同じようなデザインのアパレルメーカーの物を買えばいいと思います。
レトロXベストが勝っているのは耐久性と見た目くらいでしょうか。
私の妻と子供は他メーカーのやわらか～いフリースベストを気に入ってきています。
それでもやっぱり「パタゴニアのレトロXベスト」が欲しいという方は、上記のデメリットを知ったうえで購入したほうがいいでしょう。
作りはしっかりしていますし耐久性はありますから、上記デメリットが気にならないのであれば長く着られる良品になると思います。
